プレスリリース

業界最小クラスとなる一次電池駆動の危機管理型水位計を
横浜市『寺家ふるさと村』農業用ため池にて実証開始
~都市に残る農業風景保全を防災面からサポート~
[2021年2月22日]

 

 
ベジタリア株式会社の100%子会社でIoTセンサーの企画・開発を行う、株式会社イーラボ・エクスペリエンス(本社:東京都渋谷区、代表取締役:岡澤 実、以下『イーラボ・エクスペリエンス』)は、洪水等の水害による被害を減らすことを目指して開発した、業界最小クラス※となる一次電池駆動式の危機管理型水位計(自律型)『Field-EX(フィールド・イーエックス)』を、横浜市が農業振興地域・農用地区域の景観保全と地域の活性化のために指定・整備している『寺家ふるさと村』(神奈川県横浜市青葉区寺家町)内の農業用ため池における洪水被害を最小限にすることを目的に、実証実験を開始しました。

 
寺家 設置の様子
実証実験の様子
 

イーラボ・エクスペリエンスでは、2019年より国土交通省が普及推進する、危機管理型水位計の課題となる“正確な水位の測定と確実な通信の実現”および“設置コストの低減化”を目指した自律型の危機管理型水位計を開発・提供しています。
今回、イーラボ・エクスペリエンスにとっての原点である“農業”に欠かせない、“ため池”における水位管理の有用性を確認するために実証を実施いたします。
 
この危機管理型水位計は、“システムの省電力化”と“電池サイズのコンパクト化”を図ることで、現在流通する製品より50%以上※サイズダウンしたコンパクトな水位計システムで、ため池のような、大規模な工事を行いにくい場所などでも容易に設置しやすい製品です。また、省電力技術による電源制御や測定・通信技術など、各分野のリーディングカンパニーが培った技術を活用することで開発コスト抑制に成功し、従来製品の約半分の価格※での提供を可能にしました。
さらに、電池式の水位センサーやクラウド環境とビューアー、メール通知、センサーに蓄積されたデータを保存する機能(ロガー機能)といった総合ソリューションを一元的に提供しています。今後はロガー機能により蓄積されたデータと気象予報データと組み合わせ、より精度の高い洪水予測を行えるよう開発を進めています。
 
回の実証実験を行う『寺家ふるさと村』は、横浜市の北西部に位置し、東京都町田市と川崎市に隣接し、周囲を住宅地に囲まれています。この周辺は、「谷戸」と呼ばれる、丘陵地が雨水等で浸食されて形成された谷状の地形で、「谷戸田」と呼ばれる細長く伸びた水田が幾筋もあり、その奥にはため池が点在する「昔ながらの横浜の田園風景」が色濃く残っている地域です。また、この地域は、都市農業の確立と都市環境を守ることを目的とした、横浜市独自の農業振興策である「農業専用地区」のひとつに指定されています。
 

寺家地区に拡がる田園風景
  寺家地区に拡がる田園風景
 

近年の都会では大変貴重となる昔ながらの田園風景を後世に残すための横浜市の水田保全活動に賛同し、防災面でサポートするため、『寺家ふるさと村』の運営を支援する横浜市のご協力の元、この実証に至りました。
 
該地域における降雨時の水位状況は、ネットワークに接続されたパソコン、タブレットやスマートフォン等からご確認いただける専用ビューアーにて、リアルタイムかつ的確に把握することができます。なお、今回の実証実験には別途、屋外乾電池式IoTカメラ「FieldCam(フィールドカム) FC-1000」を設置し、荒天など現場に近づけない場合でも、離れた場所から正確かつ詳細に状況を把握できるシステムを構築しました。
 

ビューアーイメージ
ビューアー画面イメージ
(※FC-1000を導入した場合。ご覧になる環境により表示が異なる場合がございます)
 

この実証実験では、台風や豪雨時におけるため池水位の状況把握と、スムーズな危険通知が行われるかを検証します。また、降雨量と水位増加の相関関係による危険水位上昇の予測ができるかの検証も併せて行います。これにより、住宅と農地が近接する都市における、ため池周辺地域の防災と水田保全にどの程度寄与できるかを把握し、地域住民の安全確保の一助となることを目指します。
 
 
【実証概要】
設置場所 : 『寺家ふるさと村』内 農業用ため池2か所
       (神奈川県横浜市青葉区寺家町)
設置機器 :
(1)Field-EX(フィールド・イーエックス)
《特徴》

  • ①現在流通する製品より50%以上※サイズダウンしたコンパクトな水位計※
  • ②開発コスト抑制により、従来製品の約半分の価格で提供可能に※
  • ③電池式の水位センサー、クラウド環境とビューアー、メール通知の総合ソリューションを一元的に提供
  • ④細やかな電源制御により、電池駆動にて約5年間メンテナンス不要
  • ⑤センサーが蓄積したデータを保存するロガー機能搭載、予測にも活用可能に
  • ⑥三軸による揺れ感知機能や位置情報、盗難時の監視機能を搭載
  • ⑦別途屋外型IoTカメラの導入により遠隔地でも的確な状況確認が可能

 
(2)FieldCam(フィールドカム) FC-1000
《特徴》

  • ①高速LTEデータ通信対応
  • ②電源がない場所でも撮影やカメラ単体で無線送信を可能にする乾電池式
  • ③外出先でもスマホやタブレットの専用アプリで記録された画像を確認可能
  • ④防水防塵(IP65)、最大解像度1200万画素、夜間でも撮影可能な赤外線LEDを搭載

 

 
概要図
 

詳細仕様 : ホームページよりご覧いただけます  
       Field-EX  http://www.elab-experience.com/fieldex/
       FieldCam https://field-server.jp/fieldcam/fc1000/
※一般財団法人河川情報センターに登録された一次電池式の圧力式危機管理型水位計において。(2021年1月時点)
株式会社イーラボ・エクスペリエンス調べ。
 
【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社イーラボ・エクスペリエンス 石津
 TEL 03-6455-1991 MAILinfo@elab-experience.com